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案山子 [weblogs]

あの日の夕焼けはこんな感じだった先週末に数人で飲みに行った先のお店でのこと.有線のチャンネルが懐メロに合わせられていたようで,歌を肴に懐かしがりながら楽しい時間を過ごした.少女Aなんて久しぶりにきいたなぁ.タイトルの案山子はもちろん,さだまさし氏による1977年の名曲.田んぼにぽつんと立っている案山子を,都会にいる弟に重ねて語りかける歌詞は,どちらかというと詩のような郷愁と美しさを感じさせる(関係ないけどこういう風に思う自分は「あぁ,日本人なのだなぁ」と思ったりする).自分自身はこの歌と同時代を過ごしていないからそれほど深い思い入れはないのだけれど,歌を聴きながら思い出していたことがある.

もう10年近く前になるけれども,県外への就職で初めて親元を離れることになった友達の引越を手伝いに行ったことがあった.たしか3月の半ばころだったろうか,もうすでに春を感じられるようになったころで雪も消えていたけれど,風が少し肌寒かった.連れだって出かけたのはその友達,私,そして友達のお母さん.目的地に向かうその道の途中,カーラジオから流れてきたのがこの歌だった.たしか中年くらいのおじさんからのリクエストで,昔自分が郷里を離れることになったころを思い出してのことだったように記憶している.

このくらい書いてしまうとだいたいさっしはつくかもしれない.そう,友達とそのお母さんはこの曲を聴くうちに涙が頬を伝っていた.しゃくり上げるような泣き方ではなくて,静かに,でも目を真っ赤にして涙を流しているのがバックミラー越しに見えたのがとても印象に残っている.私はといえば,後ろの席からその様子を見ていて,何か声をかけようとしたのだけれどなんと言っていいかわからず,結局窓の外を見ながら黙っていた.その時は少しの気まずさを感じていたけど,今から考えると他人が入ってはいけない親子のやりとりに闖入してしまったような,そんな気まずさだったのかもしれない.だからたぶん,黙っていたのはそれでよかったのだなと思う.

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