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読書メモ: 姜尚中 「悩む力」 [reviews]

  • 姜尚中. 2008. 悩む力. 集英社新書.

非常に読みやすくて,ざっと通読するだけなら1時間くらいかな.でも書かれている内容は示唆に富んだものだったと思います.いろいろな読み方があるはずですが私は本書を,自分自身が本書で言うところの「近代」人なんだなということを自覚するきっかけとして理解しました.

大きな枠組としては,「私」が「われわれ」から分断され,個々に切り離されていくプロセスをウェーバーと漱石の思考を追いながら見ていくことになります.議論は全部で9つのテーマに沿って進められていき,それぞれにいくつかのポイントが示されていました.それらのポイントをラインとしてつないでいるのが「相互承認」ということばでしょう.お互いに認め合う,認め合おうとすることによってこそ肥大しない自我を獲得できるんじゃないかという指摘には首肯できます.

読み終わってから自分自身の研究とのつながりをぼんやりと考えていたんですが,自分のやろうとしていることが少なくとも科学であるなら,対象を切り刻んで分断しっぱなし,細分化しっぱなしにしてはいかんのだろうなぁと思いました.会話という最小単位の社会を微視的に見ていこうとするとき,そこに生まれてくる社会には様々なレベルで行われている相互承認があるんだろうと思います.彼/彼女たちのしていることの実際を知るために会話を断片化させなければならないとしても,それで終わらせてはいけないんでしょうね.

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