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論文・レポートでのコピー&ペースト検知 [news]

学生らがインターネット上の情報をコピーし、リポートや論文に張り付けて(ペースト)盗用する、いわゆる「コピペ」検出のため、米国の教育現場で広く利用されている不正摘発ネットサービスが秋にも、日本語への対応を始める。

(FujiSankei Business i. 産業/「コピペ」摘発サービス上陸 学生論文不正許さん ネット盗用、瞬時判定より引用)

いわゆるコピペって世界的に問題視されてるんですね.アメリカの教育現場ではすでに広く利用されているとのことですが,摘発するだけで終わっちゃもったいないよ?ということでエントリ.

なんでコピペするのか

いろんな人と話したり,書かれたレポートを見ていたりして思うのは,レポートなり論文に「正解」はないということに気が付いていない学生さんがいるのかもしれないなということ.例えば,ある人は自分の解釈の「正しさ」を確認するために,ある人は「正しい」研究の方法を,ある人は自分の研究のフレームワークとして何を使うべきかを相談しにきます.コピペでレポートを書いちゃうのがとっても楽だという動機ももちろんあると思いますが,それほど大きなウェイトを占めてはいないし,問題でもないと思っています.

問題なのは,やはり正解にたどりつける,という意識の方.彼/彼女たちの多くは自分の考えていることが正解なのか,不正解なのかにとても気を遣っているように感じます.理由はいろいろ考えられますけれども,そういう感覚はなかなか変わらないようで,「正しい」研究とか,「正しい」解釈なんてものはどこにもない(ただし「間違った」はある)ということに気づかせようとすると,これは相当骨の折れることです.ではその骨の折れる仕事をどうやって片付けるか,というのを考えるわけですが,それは摘発だけで終わらない仕組みを作ることにつながります.

もうちょっと生産的な方向に持って行けないか

「不正摘発」と記事には書いてありますが,上述のようなことを考えるとそれだけではあまり意味がなくて,大学の教育機関としての性格を重視するならば,単にコピペを摘発するだけに終始せず,もっと生産的な方向に持って行くことを当然考えるべきです.例えばコピペが何故問題なのか,レポートや論文とはどんなものなのか,引用とコピペとは何が違うのかといった基本的なことを扱う授業を開講することも考えられますね[1].全学を対象にするとなると,規模の大きい大学などでは大変かもしれませんが対象学生を絞るとか,ペナルティとして受講を強制するとか,やりようはあると思います.また,サービスを導入するにしてもただ摘発のツールとして利用するのではなくて授業やフォローと組み合わせて使っていくようにするとか,論文の自動添削システム[2]を併用するようにすれば,もうちょっと生産的な方向に持って行けるんじゃないでしょうか.

*1 例えば,右に挙げる書籍は非常に参考になるはずです.ウンベルト・エーコ, 1991, 論文作法―調査・研究・執筆の技術と手順, 谷口勇訳, 而立書房
*2 Jess: Automated Japanese Essay Scoring SystemとかCriterionとか,いろんなサービスがあります.課題も多いようですが,有効に機能する部分があるならば取り入れてもいいかもしれません.

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