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必要なのは制度の検証では? : 法科大学院の底上げ検討 [news]

司法試験の合格者数増加に伴い、法曹の質の低下が懸念されている問題で、政府は法科大学院で教える最低限の内容を示す「コア・カリキュラム」策定の検討に入った。
法科大学院ごとに異なる教育内容の大部分を共通化し、教育の質を保証し向上させようとするものだ。中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)で検討を進め、今後2年間で結論を出す方針だ。

(YOMIURI ONLINE: 法科大学院の底上げ検討,必須科目の拡充を軸により引用)

「法曹の質の低下が懸念されている問題」とか言ってますけど,ほんとにそうですか?

合格率は教育の質の指標ではない

合格率の低さが指摘されていますが,これはちょっとおかしい.

私の記憶が正しければ,司法試験というのは合格者数が決まっている試験のはずです.そして上位から順に合格していくシステムのはずで,つまり何点以上とらなければ不合格というものではないはずです.だからたとえば,合格者数が700人と決まっているとすると受験者の全体数が1,000人なのと2,000人なのとでは合格率がまったく違うはずで,そんなのは中学生にだってわかる理屈です.合格者数に上限がある制度を作っておいて,しかも開設当初にじゃかじゃか承認をしておいて,やってみたら人が多すぎて合格率が下がっちゃいましたという話.つまり「教育の質の低下」なんていう問題じゃなくて,制度上の不備なんです.実現できるはずのない理想を掲げておいて,できなかったことの責任を大学になすりつけてるだけに見えるんですが,「底上げ検討」をしようとしている本人たちに自覚はあるんでしょうか(これはもちろん反語というものであります).

必要なのは改善ではなくて,まずは検証

ちょっと話は外れますが,最近の話題だと「留学生30万人計画」とかがありますね.あれは以前に10万人計画というのがあったはずで,そっちのほうの現状や成果といったことに対しては検証がまだされていないはずです.にもかかわらずいきなり数を増やして"とりあえず"やってみるというのはどういうつもりなのか.

今回の法科大学院関連の「問題」についてもやはり同じことなんだろうなと思っていますが,計画なり施策というのはたてて実行したらそれで「はい,おしまい」というものではないはずですね.要求されるのは結果であったとしても,実際にやってみてどんな課題がでてきたのか,それらはどう解決できた/できなかったのか,改善や修正が必要なものはあるのか,今後の継続の可能性はあるのかどうか,そういう現状にいたるプロセスについての検証作業が必要ですし,そこまでやってこそ次のステップに進む準備ができるはずです.

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