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言語管理研究会 第2回年次研究発表会 [workshop]

言語管理研究会 ポスター2008/03/08は言語管理研究会の年次研究発表会でした.前回の研究会では自分が発表していた記憶がありますが,早いもので,もう1年経ちます.去年もやっぱりそうだったんですが,花粉のせいで喉がガラガラ,目はショボショボ,鼻はグズグズ.研究会の記憶が常に花粉との戦いと一緒にあるのは,なんというか,哀しいものです.全国の花粉症で悩んでいる方々も同じなのでしょうけれどもね.

えぇと,マイクを持ってあっちこっちに走っていて質問ができなかったので(ま,言い訳ですかね),代わりにここで感想など書いてみようかと思います.

今回は前半が「高齢者の異言語学習」「メールでのコミュニケーション」「人称詞使用の言語管理」の3つの研究発表と,後半が「規範の動態性」についてのディスカッション.

前半,個人的には,メールでのやりとりを言語管理理論でいう「評価の段階」に注目して分析したものが面白かったです.直接的な調整を実施することが難しい媒体でのコミュニケーションで,評価からどのような調整につながっていくのか,というところをもう少し知りたいなと思いました.他のみなさんもいろいろな方からフィードバックをもらえていたようなので,研究会としても成功だったんじゃないかなと.

後半のディスカッションは,話題提供者から,いくつかの場面の中でどのように規範が変化・強化・抑制・生成されたのかが紹介され,規範がどのように体系化されていたのかが提示され,コメンテーターの問題提起と続いてディスカッションがスタート.

規範が場面毎に,あるいは場面の中でダイナミックに変化し続けるものであるという認識は,多くの研究者に共有されているものだと思います.今回提供してもらった話題の重要性は,このダイナミズムを捉えることは可能か,という問いに一定の形が与えられたことにあるのだろうと思います.規範(norms)はNeustupný(1985)で「特定のコミュニケーション場面において,話者によって"正しい"規則だと判断されるようなルールだけをさすことばである.」と指摘されているように,ある特定の場面での,その場・その時のやりとりと強固に結びついたものです.つまりルールそれ自体ではなくて,何がルールだったのかということが問題になります.したがって,どのような規範が「ある」のかという問いをたてて規範の実体へ向かってしまうと,それはルールの研究になってしまって規範研究は不可能になってしまうんだろうなと思いました.だから規範研究は,「ある場面で行われていたやりとりを,その主体だった参加者たちがどう解釈していて,そのときの規範は何だったのか」,についてのミクロプロセス研究でなければならないのではないかなと思います.

  • Neustupný, 1985, "Language norms in Japanese-Australian contact situations", In Clyne, M. (ed.) Australia, meeting place of languages, pp.161-170, Pacific Linguistics

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