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AO入試は大学の力になるか [news]

入試シーズン真っ只中の2月ですが,こんな記事が出ています.ちょっと気になったのでご紹介.

 面接などを重視して合否を決めるアドミッション・オフィス(AO)入試について、廃止を含む見直しの動きが国公立大で広がっている。九州大法学部は、通常の学科試験を受けた学生よりも入学後の成績が低い傾向があるとして、2010年度入試から廃止する方針を決定。筑波大や一橋大も一部で廃止を決めた。AO入試を導入する大学は私大も含めて増え続けているが、「学力低下を招く」との批判も出ており、AO入試は転機を迎えつつある。

(asahi.com : AO入試,廃止の動き 九大・筑波大など 「成績低い」-教育より引用)

記事を詳しく見ていくと,一応調査をした上での結論ではあるようです.あまり効果がないのでやめまーすというだけではない点は評価してもいいかなと思いました.ただしいくつか気になるところがあるのでそれについて触れます.

一般入試とAO入試に同じものを求めていいのか
AO入試の場合,学力以外の面で学生が持っている能力・魅力を(たとえ建前であったとしても)重視して選抜するわけですから,一般入試で入ってきた学生と同じ学力を求めるのが妥当かどうかには疑問が残ります.少なくとも私は,「AO入試は学力偏重に対するアンチ・テーゼだ」と思っていたんですけども.意地悪く言えば,学生の多様化よりも均質化が優先されるということの宣言ではないですか?
入学後に何かフォローを考えることはしないのか
上記のことと関連して,「成績が低い」あるいは「特徴がでなかった」という場合,AO入試自体の是非を問う前に,入学後にフォローをしていたのかどうかが問われなければならないと思います.すでに指摘したように重視するものが違うわけですから,対応も違っていていいはずですよね.基礎的な学力が必要だと思うのであればそのための授業を用意してもいいし,特に伸ばしたい能力を鍛えることができる授業を考えてもよかったんじゃないでしょうか.
大学内部,あるいは国内の大学全体の多様性を効率化の犠牲にしてよいか
九大の武谷教授によれば「3種類の入試を実施する煩雑さも理由の一つ」とのことですが,入試の煩雑さに廃止の理由を,一端にせよ,求めるのは短絡的すぎやしないでしょうか.今現在さんざん多様化が魅力になるだとかなんとか言われている中で「効率化が優先されるのでやめます」と言ってはいけないんじゃないでしょうか.

とりあえずこの3つが気になるところ.AO入試で容易に学生を確保できるという一面があるのは事実でしょうし,安易に採用している大学があるのも事実でしょう.が,AO入試はもともと学力以外の面を重視して実施される入試のはず.だから対応も少しずつ違っていていいはず.と考えるならば,学生に対するフォローを考えることでカリキュラムの充実や講義内容の多様化,学外との連携など,大学にとっての武器になるものがいくつも手に入る可能性があるんじゃないでしょうか.

名前の挙がっている大学は九大,筑波大,一橋大.体力のある大学ですから,きっとよりよいAO入試の形を実現できると思うのですけれど.

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