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第13回 言語管理研究会 @ 新宿 [workshop]

今日は第13回の言語管理研究会で桜美林大学の新宿キャンパスへ.昨日早く寝た甲斐があって寝坊せずにちゃんと参加してこれました.行く途中は同じ研究室のメンバー数人とおしゃべりしながらだったのですが,みんな職業病持ちであることがわかっておもしろかったです:-p

研究会では3人の方から「多言語使用者の言語管理と言語使用」というテーマで話題提供をしてもらった後ディスカッションに入りました.中国朝鮮族の言語意識について話題提供をしてくれた金さんの報告では,第1・第2言語,あるいは母語といった従来の多言語使用を考えるときに使われてきた概念に収まりきらない複雑な意識が見えていましたし,中国と台湾の就学生が教室外でどのような言語使用をしているのかを報告してくれた尹さんの話の中では,ある問題への対応には言語能力それ自体の高低よりも,習得されているコミュニケーションのタイプや社会文化の影響が大きいことが指摘されています.このことは池森さんが報告してくれていたパキスタン人の就労者が日本での生活(言語接触)開始時に,自分の生まれ育ったイスラム文化圏の影響から,女性との会話にとまどいを覚えるという事例にも通じるところがありそうです.

ディスカッションを通じて感じたところを書くと,扱っているテーマも違えば当然調査対象も違っているので当然と言えば当然ですが,一口に多言語使用(あるいは使用者)と言っても非常に豊かなヴァリエーションがあるのだということ.以前の研究会であったフィリピンでの言語使用のように「明確な基底規範のない状態」が規範として機能する社会がありうるし,パキスタンのように多言語社会ではありつつも活動の属しているドメインによって言語の選択と使用に明確な基準が存在する社会もあるし,日本のような単一言語が支配的位置にある社会もあるし,本当にいろいろあって,当然それぞれの社会での多言語使用の様相は変わってくるはずです.今の時点でこういった様々な事例をどう抽象化していけるのかという落としどころを考えるのは早すぎるのだろうと思いますから,いろいろな多言語使用の実態を観察し,蓄積していくことが,しばらくは最優先の課題になりそうです.

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