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認識の違い,際立つ [news]

アメリカ政府で核不拡散を担当する特使を務めるジョゼフ前国務次官は、広島と長崎への原爆投下について「戦争を終結させ、結果的に多くの日本人の命を救った」と発言し、原爆投下に対する日本とアメリカの認識の違いをあらためて際立たせました。

(NHKニュース より引用)

こういう結果論だけで物事を考える輩は大嫌いです.

核兵器のような大量破壊兵器廃絶をリードするはずの日本政府閣僚から「しょうがない」なんていう発言が飛び出したことには開いた口が塞がりませんが,核不拡散の担当特使という肩書きを持つ人がこういうことを言ってしまうんだなぁと思うと,顎が外れそうです.穿った見方をすれば,「核爆弾を投下していなければ,日本が降伏するまでの間に,(民間人も含めて)さらに多くの人々を殺すつもりでした」と言っているようなものだと思いませんか.

記事中には「認識の違いを際立たせました」とありますが,詰まるところ「同じ未来を見ていないということがはっきりしました」ということだと思います.広島や長崎をはじめとして(日本政府は本気で思っているかどうか怪しいので含めない),核兵器廃絶を訴える側は「結果として多くの人が亡くなってしまったけれど,遺された我々は,未来に同じ大量虐殺が行われないような選択をしていかなければならない」と考えているはずです.でも久間さんやこの特使は「結果として多くの人が亡くなってしまったけれど,多くの人が生き残った」という認識です.言い方を変えれば,結果だけでものを考える思考停止状態であることはもちろん,被害を受けて亡くなったり後遺症に悩まされたりしている人たちの命と生き残った人たちの命との間に違いを認めているということ.でもそんな違いは認めてはならないし,そもそも違いなんてないはずです.

エントリを挙げた後に,ヒステリックな反応をしてはいけないなとちょっと反省.久間さんの発言についてもそうですが,ヒステリックに大騒ぎしたことによって少なくとも日本の政治家が「原爆投下」について語るのがかなり難しくなったのは事実です.

「戦争を早期終結させた」という結果論も含めて,あらゆる議論の余地が残されていない状況はあまり歓迎できるものではないかもしれません.

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