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ヴァーチャル書店 [weblogs]

ロバート・デニーロとメリル・ストリープの2人が出演している「恋に落ちて」という映画をご存じでしょうか.2人の男女が書棚で同じ本を手に取ろうとして手が触れあうところから恋が始まるという(ある意味かなりベタなストーリーですけれども),とても素敵な映画です.この前amazonで本を注文したときに,ふと,この映画のことを思い出しました.

amazonの他にも紀伊国屋Bookwebやらbk1やらいろいろありますが,マウスをカチカチしているだけで本が買えるのですから驚くべきサービスですよね.私の住んでいる地域には大きい書店や専門書を多く取りそろえている書店というものがないので,本を探そうと思うと足を伸ばさなければなりません.何か用事のあるときについでに寄ることもありますが,そう頻繁に都内まで出るわけではないですからやはり大変です.そういう意味でも海外の書籍や普通の書店には置いていない書籍などが見つかって,うまくいけば数日のうちに自宅に配送されるのでとても重宝しています.

このようにとても便利なわけですが,私たちがヴァーチャル書店でとるアクションというのはキーボードで探している本のタイトルを入力したり,注文の確定のためにマウスを数回クリックする程度です.老練な店員さんに期待して本のありかを尋ねることもなければ,「すいません」と言いながら相手の後ろを通り抜けることもないし,デニーロとストリープのように運命的な出会いに遭遇することも無いわけです(いや,別に出会いを求めているわけではありませんが).つまり人と接触する必要がなくて具体的な相互行為が起こらないので,私としては少し寂しい感じがします(だからこそ気軽に使えるという一面もあるのかもしれません). 欲しい本を探し回ってようやくみつけた時のなんとも言えないやりとげたぞ感はヴァーチャルでは味わえないもののように思います.

だから品揃えの豊富さや売り場面積の大きさということ以上に,実際に本棚がずらっと並べられていて,その間に人が入って本を探していて,場合によっては椅子に腰掛けて本を読んでいる人がいて,もしかしたら知り合いがその中にいるかもしれなくて,他にも何か出会いがあるかもしれない,という具体的な空間がまさに「今/ここ」にあるというのがヴァーチャルではない書店の肝なのかもしれないなぁと思いました.

ということで,けして出会いを求めているわけではないことを重ねて明記し,本エントリを閉じたいと思います.

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