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全体研究会終わる [workshop]

今日は所属研究科の全体研究会でした.4回の発表ノルマのうち今回が4回目.ようやく解放されます.解放されるというほど苦痛なわけでもないのですが,なかなかに時間を取られるので忙しいこの時期にはできれば遠慮したいイベントなのでした.

前回は博論構想ということで,目次を考えてそれぞれの章で何を考えるのか,を発表しましたが今回はその中の一部をちょこちょこと変更したり発展させた内容を.

今までは分析した資料から示唆されることとして,日本手話の会話で現れるポーズのほとんどは(言語管理理論でいうところの)逸脱であるという前提で議論を進めてきたのですが,その前提に立つと扱えない事例がでてきます.このことへの反省として今回は,現象として現れたポーズが「話順交替の逸脱として留意されている場合」,「会話中の別の逸脱に対する調整として利用されている場合」の2種類がとりあえずありそうだという内容を話しました.例えば「相互注視状態(お互いに視線を合わせている状態)でのポーズ」が逸脱になっている事例というのはSacks et al(1974)での他者選択のルール違反との関連で説明できるのではないか,あるいは「話題のズレを元に戻そうとしてポーズを意図的に入れる」という事例はやはりSacks et al(ibid)での自己選択ルールとの関連で説明できるのではないか,といったことです(もちろんこの議論はFUIで質的に補足することが欠かせません.会話分析派は認めないでしょうけれど).

今までの日本手話研究では,ポーズやオーバーラップは現象として捉えられることがほとんどでした.例えばAとB,2人の会話を扱うときに重なりはA-A/B-B(スラッシュのところが重なり)という2者間での連続発話産出だったし,ポーズはA-φ-B(ファイのところがポーズ)という2者間での不連続発話産出でした.参加者がなぜそのような発話産出が可能/不可能だったのかという議論は非手指動作NMSとの関連からはされてきたものの,話順交替のルールや参加者の意識といった観点から分析されている研究をしている研究者はほぼ皆無といった状況です.

まだまだパイロット的な議論でしかない段階ですが,分析を深めることで何か見えてきそうな気がしています.先の長い道にはなりそうですけれども(!).

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